めまい

みみの病気-耳が原因でおこる代表的なめまい

めまい

メニエール病

めまいの代表的な病気で、グルグル回転するめまい発作をくり返す病気で、難聴、耳鳴、耳がつまった感じを伴うのが特徴です。又、吐き気や嘔吐、冷汗、顔面蒼白などの自律神経症状も多く伴います。 それほど多い病気ではなく、めまい全体の一割弱位です。多くは数時間で治まりますが、くり返すのが特徴で、くり返すたびに徐々に聴力が低下します。

この病気の原因は・・・

内耳にできる「水ぶくれ」が原因と考えられ、ストレスがかなり深くかかわっています。

この様に治療します

メニエール病は、命に関わる病気ではありません。発作時には、まずは安静にして、めまいの症状が落ち着くのを待ちます。急性期は内服薬か、点滴で症状を軽くします。落ち着いた時点で、内耳の循環や代謝を改善する薬や、内耳の過剰なリンパ液を排出させる利尿剤(ゼリー状でまずいお薬)を使います。

メニエール病の治療で薬物治療と並んで大切なのは、生活の改善です。適度な運動や気分転換を心がけ、十分な睡眠、休息をとり、ストレスをためない生活を送りましょう。

 

良性発作性めまい症(BPPV)

めまい全体で最も多い病気です。6割を占めていて、中高年、特に女性に多いです。寝返りをうったり、体を左右に回したり、上や下を向いたときなど、ある特定の位置に頭を動かした時にめまいが起こります。難聴、耳鳴は伴いません。グルグル回る人もいれば、フワフワする場合もありますが数秒から1~2分続きますが、長時間は続きません。

頭の位置をそのままにしていれば、ほとんど数十秒程度で治まりますが、同じような頭の位置をとったときに、くり返しおこります。

この病気の原因は・・・

内耳にある「耳石器」の中のカルシウムでできた「耳石」とよばれる小さな石が半規管の中にはがれ落ち、神経を刺激することでめまいが起こると考えられます。

この様に治療します

めまい発作がたびたび起こるので不安に感じる患者さんも多いのですが、命に関わる病気ではなく、めまい頭位に慣れると症状が消えていく場合が多いです。急性期は内服薬(抗めまい剤や制吐剤)や、点滴で症状を軽くします。

なるべく早く耳石を取り去る方法Epley法(エプリー法)があり、又、個人でも自宅で行える体操もありますので、こちらで指導致します。

良性発作性頭位めまい症のリハビリ

内耳の耳石器についている耳石が剥がれ落ちて三半規管の中に入ってしまい、頭の位置を変えると三半規管の中の耳石が動き、それと一緒に内リンパ液が動くためめまいがおこる。
その耳石をもとの位置にもどすことを目的として、めまいの種類によってエプレ法、レンパート法、ブラントーダーロフ法等を当クリニックで実施しています。

めまい症の予防

  1. 1.寝返り運動・・内服薬だけでは完治させるのは難しく、自宅でできる方法を当クリニックでは実技指導いたします。
  2. 2.同じ方向で横向きに寝ない・・下側の耳の三半規管に耳石がたまりやすい
  3. 3.頭の位置を高くする・・頭の位置が低いと三半規管に耳石が入りやすい

 

めまい症の予後

めまいがするからといって安静にしていては、なかなかよくなりません。積極的に頭や体を動かすことが大切です。そうすることで耳石が元の位置にもどったり、砕けてリンパ液に吸収されやすくなるからです。通常2~3週で治りますが、再発もしやすいです。
また、カルシウムを積極的に摂取することも再発予防になります。

たちくらみ

めまいの症状の種類

回転性めまい

・自分は動いていないのに、天井や周囲がグルグル回る。

・難聴を伴うことがあり、内耳の異常が原因であることが多い

浮遊性めまい

・足元がフワフワして、体が揺れる感じがある

・脳や耳など原因はいろいろと考えられる

立ちくらみのようなめまい

・急に立ち上がった時に頭がフラフラして、目の前が暗くなったりする

・心臓、循環器系が原因で起こりやすい

※中枢性めまいに関して

めまい以外に、手足のしびれ、まっすぐ歩けない、意識を失う、しゃべりにくい、頭痛、物が二重にみえるといった神経症状を伴っている場合は「中枢性めまい」の疑いがあります。一刻も早く、脳外科か神経内科を受診して、適切な治療を受ける必要があります。

他の病気として、以下のような疾患があります。

  • 前庭神経炎
  • 突発性難聴

前庭神経炎とは

前庭神経は傾きに関する情報を脳へ伝え、平衡感覚を保っています。その前庭神経に炎症が起きて、障害され、めまいを起こす病気です。

原因は

カゼを引いた後に発症しやすいことから、ウイルス感染が原因ではないかと言われています。

症状は

  1.  1.突然激しい回転性めまいが2~3日続く
  2.  2.吐き気、嘔吐は伴うが、耳鳴や難聴は起こらない
  3.  3.めまい発作は一度きりで、繰り返さない
  4.  4.1~数か月はフラフラ感、頭重感が残ることあり

治療は

・抗めまい薬、制吐剤、抗不安剤、ステロイド

・めまいが治ったあとは、早期に体を積極的に動かすリハビリ(体操)を行う必要があります。

めまいの検査

めまいは、体のバランスを保つ平衡機能に乱れが生じる時に現れます。
そこで平衡機能に障害はないか、正確に判断する為に検査します。

1.聴力検査

聴力検査めまいの不快の症状に気をとられ、聞こえの悪さに気づかない場合があります。
その為にも聴力検査が必要です。 同時に耳鳴りのある場合、客観的にとらえる為に、耳鳴り検査も行います。

2.眼振検査

眼振検査目の動きで平衡機能の異常を分析する めまいがあると、眼球が振り子のように動き、これを眼振といいます。フレンツエル眼鏡といって厚い凸レンズのメガネをかけてもらい、眼振の有無をみる。

眼振検査
  • 頭位眼振、頭位変換眼振検査 頭を左右に動かしたときの目の動き、急に姿勢を変えた時の 目の動きをみて、内耳障害の有無をみます。
  • 温度眼振検査 耳の中に冷水を入れて、内耳障害の有無をみます。

3.重心動揺計

重心動揺計立った状態で平衡機能の障害をみる。 まっすぐ立っているつもりでも、重心は微妙に変化します。
重心の動きをコンピューターで記録し、その変動パターンを解析して、平衡機能障害の程度や、障害の原因が内耳にあるか中枢にあるか判断します。
目を開けた状態と閉じた状態で調べます。

4.自律神経失調症有無の検査(シェロング起立検査)

寝ている状態の血圧、脈拍を測定した後、10分間起立して再び測定し、測定値の変動をみます。

5.めまいの運動療法

平衡機能とは、内耳や眼や全身の筋肉から得られる情報を脳で統合することで保たれています。
内耳からの情報に異常がでて平衡機能が乱れそうになると、脳の働きで補おうとする作用(代償作用)が発揮されめまいを感じなくなります。
この代償作用をしっかり働かせてめまいに慣れる訓練、すなわち運動療法が効果的です。頭や眼を動かしたり、歩いたり、寝たり起きたりするものまでいろいろあります。
当院では、めまいの原因、病態に応じてこの運動療法のご指導を行っています。

Q1:めまいは何科を受診すればよいですか?

めまいは大きく分けて、耳と脳のどちらかの原因になるかと思います。
実際は、耳(内耳)が原因となっていることがほとんどですから、耳鼻科の専門領域ですが、意識障害やひどい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状があった場合、脳が原因と考えられ、生命にかかわる事が多いので、先に脳外科を受診され、それ以外の方は内耳を専門とする耳鼻科をまず受診して下さい。

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